くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

【理学療法士が解説】「何もしてないのに」という腰痛の原因は『習慣』です【具体例とともに解説】

腰の痛み

「腰が痛いなぁ、何かした覚えはないんだけどなんで?」とお悩みですか?
身に覚えのない痛みって何が原因か分からないから、すごい気になりますよね。

何か重いものを持った!という明らかな原因がわかる場合は、腰に湿布を貼っていれば長くても1週間もすれば基本的には回復します。

でも、そういった明らかなエピソードがない場合は、病院に行くべきなのかどうかだってわからない。
実は僕の臨床経験上、明らかな原因が患者さん自身でわかっている例ってそんなに多くないんですよね。

みなさん同じですね。
ほとんどの方が「いや〜特に何もしてないんですけど・・・」とお答えします。

当たり前ですが、何もしていないのに腰痛は起こりません。

「身に覚えのない腰痛」にもちゃんと原因は存在するはずなんですね。

例えば、「どの動きで痛むのか?」ということから原因がわかるケースがあります。
というのも、それが「腰に負担をかけている動き」だから。

つまり、その「痛みの出る動き」が腰痛を引き起こす原因ということです。

そして、いくつかの痛みの出る動作から共通点を見つけ「問題のある背骨の動き」を炙り出すことができ、根本的なアプローチが可能となります。

このように、症状を紐解いていくと根本的な原因にまで辿り着く事ができるケースが多いです。

本記事では、そんなあなたの疑問・不安のもとである「身に覚えのない腰痛」の原因を一緒に解明していきましょう!
代表的な「こんな動きで痛いです」というパターンを3つほどご紹介します。

その動きの「何」がNGなのか?僕の臨床経験と知見からお話しさせて頂きます!
対処方法も併せて解説しますので、当てはまるものがあれば、実践してみてください!

本記事の内容

※今回ご紹介するケースは、あくまで僕の経験をもとにお話ししています。症状に関して、確定的な診断をお求めの場合は必ず「医療機関」にて受診してください。
ここでのお話の通りに実践し、症状が悪化しても、責任は取りかねます。取り組む際には十分ご注意してください(症状が悪化する場合は速やかに中止してください)。

「何もしてないのに」という腰痛の原因は『習慣』にあり

腰痛のきっかけに心当たりがないような「身に覚えてのない腰痛」の原因は、何気ない普段の動作であるケースがあります。

「何気ない普段の動作」というと例えば、立ち上がり方ですとか、座り方、歩き方、屈み方など、一見するとそんなに腰に負担がかかるとは思えない動作です。

この一見すると腰に負担がかかりそうにない動きも、身体の使い方や状況(硬さ)によっては、1回のダメージは小さいですが腰に負担をかける動きになってしまいます。

自分では気づきにくい小さなダメージが積み重なった結果、「腰痛」を発生させるのです。

では、あなたにとって腰に負担のかかる動きとは何か?見つけるのは簡単です。
どの動きで腰に痛みが出るのか?という事から判明します。

例えば、痛みが出る時が、①下に落ちたものを取る時、②お辞儀した時、③ベッドから起き上がる時、となると共通している動きは「屈む」です。

となると「屈む動き」に何かしらの問題があり、日頃から腰に負担をかけていたため、腰痛が発生した、ということになります。

いかがでしょうか?
このように痛みが発生するタイミングを整理していくことで、「何もしていないのに痛くなった!」という謎が解けていくんですね。

では次からは、痛みが出るタイミングとして代表的な動作①立ち上がり、②屈む、③歩くを例にして、その何が腰に負担をかけているのか?という点とそれぞれの簡単な対処方法について解説していきます!

当てはまる痛みのパターンがあれば、参考にして対処方法を実践してみてください。

痛みの原因となりやすい動作と対処方法①立ち上がる時に腰を反る

「立ち上がる瞬間に腰が痛いんです」というあなた、立ち上がる時に、動画の前半のように腰を反らせてはいませんか?
腰部脊柱管狭窄症の方や、股関節にトラブルを抱えている方に多いパターンです。

立ち上がる瞬間、本来は脚に力が入るのですが、この立ち方だと腰に力が入るため、それが腰へのストレスとなります。
この場合、立ち上がる度に腰にじわじわとダメージを加えている事になってしまうんですね。

対処方法は?

  • 座っている段階で背中・腰を丸めリラックスする
  • 立ち上がる際に一度目線を床に落とす
  • お辞儀をして立ち上がる

対処方法はこの3つですが、全てに共通することは「背骨を丸める」という事。
理屈はシンプルで「反った状態で立つと痛いのだから、丸めて立ち上がれば良いよね?」です。

背骨を反る動きに関して柔軟性を高める、という根本的な解決手段もありますが、正直言って「時間がかかります」。
ゆえに「丸めながら立つ」というのが一番手っ取り早い方法ですね。

「丸める」と言っても特段どこかに力を入れる必要はなく、ただ「腰・背中をリラックスして猫背にする」という事でOKです(もちろんそれだけでは不十分なケースもあります)。

リラックスして立つという動作の習慣に変えつつ、背骨の柔軟性を高めるトレーニングをしていきましょう!

※腰の反りによる腰痛の原因と対策について知りたい!という方はこちらの記事をどうぞ!より詳しく解説しています。

 

痛みの原因となりやすい動作と対処方法②屈む

「腰を曲げると痛いんだよね」という方は、「正しく丸くなる事ができていない事」が腰にダメージを与えています。
腰椎椎間板ヘルニアの方に多いこのパターンですね。

実は、腰は反るだけではなく、体を丸めることでもストレスがかかります。

上の画像で説明しているように、背骨は椎体と呼ばれる前側(お腹側)の部分と椎弓と呼ばれる後ろ側(背中側)の2箇所に分類できます。

背骨を丸めた場合で、ストレスがかかるのは背骨の「前側」です。
前側にストレスがかかると、椎間板がシュークリームのケーキのように後ろに押し出され、神経を圧迫し症状を引き起こします。

本来は棒人間の画像の左側のように、背骨がしなる事でストレスが分散されていますが、右側のように1箇所で折れ曲がるようになると、その部分にストレスが集中してしまいます。

木の枝を折る時は、指で支点を作理、ポキっと折りますよね?
背骨は折れるわけではないですが、同じ原理で支点となっている部分にはストレスが集中するのです!

これが腰を丸めた時に、腰にストレスがかかるイメージです。

対処方法は?

  • 腰ではなく背中を丸めることを意識する
  • 膝を少し曲げる

腰だけを丸めるのではなく、背骨全体を曲げることで腰へのストレスを軽減することを狙います。
膝を少し曲げるというのは、膝を曲げることで裏ももの筋肉を緩めて骨盤を動きやすくする事が狙いです。

骨盤が動きやすくなると、腰に柔軟性が高まるのでストレスが軽減します!
「背中を丸める」というのは、コツを掴めないと難しい方もいるかもしれません。

「背中を丸めるってどゆこと?」という方は、こちらの無料講座を参考にして練習してみてください!

「超」初心者向け動き方講座【第1講】:【背骨の動かし方編①】ー猫のポーズ・牛のポーズ

※さらに、深く丸めた時の腰痛の原因と対策について知りたい!という方はこちらの記事にてより詳しく解説しています。

 

痛みの原因となりやすい動作と対処方法③歩行


あなたは「歩いている時」に腰が痛くなり困っていますか?

歩行時の腰のトラブルの原因は様々ありますが、多くは身体をひねる動きがスムーズじゃない事で、腰に負担がかかっている事を表しています。

特に、反り腰の方や腰部脊柱管狭窄症の方で、歩いていると腰・脚が痛くなってくるという方は、当てはまっているかもしれませんね。

対処方法

  • 股関節(骨盤)から回すように意識
  • 背中・腰をリラックスして歩く

ひねる動きで腰が痛む原因は「背中(胸椎)と股関節が動いていない」というケースがほとんどです。

本来は、背中(胸椎)と股関節がメインとなって「ひねる」という動きが行われています。
その2箇所が硬い・うまく機能していないがために、腰(腰椎)がひねる動きを肩代わりするために腰が痛むのです。

実は、腰(腰椎)は背骨の中でもひねる動きが苦手な部位。
代わりに腰は屈む・反る・横に傾けるという動きがメインです。

そう、つまり腰は「できないことを無理やりさせられているから壊れてしまうんです」
そう考えるとごく自然な現象ですよね。

対処方法として2つご紹介しましたが、それぞれ「股関節と背骨を連動させる」、「背骨の動きを自然にする」という狙いがあります。

2つ目の「リラックスする」というのは反り腰の方や胸を張った姿勢を意識している、といった「背中の筋肉を緊張させている方」には有効かもしれません。

もしかすると、この2つの対処方法だけで症状が緩和するかもしれません。
一度試してみてください。

※もっと細かく原因と対策を知りたい!という方はこちらの記事をどうぞ!

 

どの動きでも痛みが変わらなく、他の症状が出ている場合は「内臓」を疑う

腰自体に病変(異常)が起きている場合、これまで説明したように〇〇すると痛い、という症状の現れ方をします。

また、腰を痛めてすぐの場合は「炎症」の影響で「常に痛い」という症状が現れますが、1週間前後でほとんどの場合は、ある程度の痛みに落ち着くはずです。

このいずれでもなく、かつ他の症状(下記リンクを参考)を伴っている場合は、内臓の影響を考えても良いかもしれません。
内科疾患に関しては、僕は専門ではないため、詳細な説明は下記のサイト等に譲りますので、ご確認頂ければと思います。

腰痛の原因に内臓・脊椎疾患など重大な病気が潜む8つの例|痛みWITH

当たり前ですが、内科疾患の影響が疑われる場合は、速やかに内科へ受診しましょう!
「内科かどうかわからないけど、不安・・・」という方も、安心のために内科へ受診しても良いかもしれませんね。

【まとめ】症状の共通点が見出せない方は専門家へ相談しよう!


では、今回の内容をまとめますね。

  • 「身に覚えのない腰痛」にも必ず原因はある
  • 原因を解明するポイントは「痛みの出る動作」→その動作の時に腰にストレスがかかっているから
  • 腰にストレスのかかる動作の繰り返しで腰痛が発生した
  • 立ち上がる時に腰が痛い→立つ瞬間に腰の反りが強くストレスがかかっている
  • 屈むと痛い→背骨がうまく丸くなれず1箇所にストレスが集中している
  • 歩くと痛い→ひねる動作がスムーズじゃなく腰にストレスがかかっている
  • 内科疾患により腰が痛いケースもあるので、疑われる場合は内科へ受診

もし、今回の記事を読んでも、自分の痛みの原因がわからない!という方は、ぜひ理学療法士などの専門家にご相談することをおすすめします!

その時に大切には、できるだけ多くの情報を専門家の方に伝えてあげると良いでしょう。

僕もその立場なので分かりますが、情報は多ければ多いほど原因の確信に迫る事ができます(もちろん全てのケースでではないですが)。

逆に情報が少なすぎると、それだけ「憶測」の部分が増えるので治療・アドバイスの精度が下がってしまいます。

  • いつから痛いのか?
  • どこが痛いのか?
  • どんなふうに痛いのか?
  • 痛みの経過はどうか?
  • 痛みが和らぐ・悪化する姿勢・動き・きっかけは?

このような情報を「わかる範囲」で1つでも多く伝えてあげると、より精度の高いアドバイスや治療が受けられるはずです!
参考にしてみてください。

では、今回は以上になります!
この記事を読んで、少しでも普段の何気ない動作が実は腰に負担をかけていた、ということに気づいて頂けたのであれば幸いです。

これからも身体は大切にしていきましょう!

ありがとうございました!