くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

【理学療法士が解説】腰痛改善のための「裏ももストレッチ」が無駄な意外な理由

腰の痛み 関節痛・肩こり

こんにちは、くどちんです。

こんな悩みを解明します!

本記事の内容

僕は10年間の理学療法士人生のほとんどを腰痛などの整形外科疾患を抱えた患者さんと過ごしてきました。その数延べ約3万人。

今回は、そんな腰痛指導の経験から、お話させて頂きます。

腰痛改善のための「裏ももストレッチ」が無駄な意外な理由【筋肉はストレッチじゃ柔らかくならないから】


結論から言いますね。
腰痛改善に良いと言われている「裏もものストレッチ」が無駄な理由は「ストレッチで筋肉は柔らかくならないから」です。

すでに取り組んでいる人の中には「やっぱりか」と思った方もいると思います。

ストレッチじゃ効果がないから腰痛がいつまでも改善しないし、痛みを繰り返すんですね。

では、なぜストレッチでは筋肉が柔らかくならないのか?についてできるだけ簡単にお話しします!

ストレッチでは筋肉が柔らかくならない理由【脳が意図的に「硬くしている」から】

まず、なぜ筋肉は硬くなるのか?について説明します。

結論から言いますと「脳が意図的に硬くしているから」です。

・・・頑張って説明します!笑

筋肉の硬さは、基本的に「脳」が調節しています。

脳が「その関節は安全に動かせる」と認識していると、その動きに関連する筋肉は「柔軟になります」

反対に、関節に不安定性があると脳に疑われている場合は「動かしたら危ないかも」と脳に判断され、その関節を「固定」しようとします。

その結果、関連する筋肉は「硬く」なるんです!

これが筋肉の「硬さ」の原因です。
(もちろん「怪我をした」などの直接的なトラブルがある場合はこの限りではないです)

簡単に言うと「動かして安全かどうかわかんない」→「とりあえず固定しよう」という流れで、その関節の動きに関連する筋肉は硬くなるんです!

余談ですが、そうすると「普段から使わない関節の動きが硬くなる」という現象が理解できます。

普段使わない関節の「感覚」は低下しています(使ってないので)、すると脳に送られてくる、その関節に関する情報が薄くなるので、脳が「よくわかんないからとりあえず固定しておこう」と判断。

その関節が「硬くなる」んです。

長年その状態が続くと、どんどん使わない関節の感覚は落ちていき!「動かしやすい関節」への負担が年々増えていくので、そのうちトラブルが起こるんですね。


では、話を戻して先ほどのお話を、裏ももを例に具体的に説明します。

腰痛の原因にもなる裏ももの筋肉(ハムストリングス)は、背骨を丸める動き(前屈)をコントロールする事が役割の1つです。

という事は、背骨を丸める動きが上手くできない場合(例えば反り腰)に、脳の判断で裏ももは「硬く」なります。

つまり、裏ももを柔らかくするには背骨を丸める練習が必要!という事になります。

ストレッチは不要です!

さて、ここまで理解できたでしょうか!
ここまできたら今回の記事は7割完了です!

次からは実際に裏ももを柔らかくするエクササイズを3つご紹介します!

腰痛に効く!かつ裏ももが柔らかくなるエクササイズ3選

①猫のポーズ・牛のポーズ

【やり方・ポイント】

  1. 四つ這いになります
  2. 骨盤→頭の順番に背骨を丸めていきます
  3. 次は、同じ順番で反っていきます(力加減は2割程度)
  4. 「下腹部」→「みぞおち」→「心臓」→「首の付け根」→「顔」の順に意識してやってみましょう!
  5. 1分程度ゆったり繰り返し動き続ける
  6. 腰に痛みがある場合中止して下さい

猫のポーズ・牛のポーズは、ヨガの中では「基本のポーズ」とされており、大変重要視されています。

つまり、背骨を動かす事が「基本」という事ですね。

このポーズで、正しく背骨を動かす事ができると身体が温まるだけでなく、手足の力が入りやすくなり、身体が軽くなります!

もちろん腰痛も改善も期待できます。

ただ、腰を反るときは腰痛が出る可能性があるので力加減と意識の仕方には注意して下さい。
痛みや違和感がある場合は必ず中止して下さいね

※もっと細かく知りたい場合はこちらの記事で解説していますので、どうぞ。

②ロールアップ

【やり方・ポイント】

  1. 両膝を立てて仰向けに寝ます(動画は起きた状態から始めてますが、どちらでもOKです)
  2. 前ならえをしながら、頭の先から尾てい骨まで順番に背骨を丸めて上体を起こします。
  3. 次は、尾てい骨から頭の先まで順番に床につけるように、ゆっくり寝ていきます。
  4. うまく起き上がれない部分、または寝る時に「ガクッと」動きが早くなってしまう部分は、硬さがあり上手くコントロールできない部分
  5. その硬くなっている部分を往復するようにして「丸め方のコツ」を練習しましょう!
  6. うまくできていれば「徐々に」楽に寝起きができるようになるはずです。
  7. 回数指定はありません。随時休憩を挟みながら練習して下さい

端的に言えばこれは「スロー腹筋」です。
ですが、この運動は「筋力」に任せて行ってはNG。

「背骨を丸める練習」という意識で行うのがミソです。

なるべく最小限の筋力を使って行う事を意識しましょう!
①前ならえをしている腕を前に突き出す、②頭から海苔巻きのようにしっかり丸めるという意識でやるとうまくいくかもです!

苦手な部分は何往復もして練習あるのみ!
必ず動くようになりますよ。

③立位ロールアップ

【やり方・ポイント】

  1. 壁の5cm〜10cm程度前に立ちます
  2. 足は腰幅に開きます
  3. 膝は軽く曲げます。曲げ過ぎはNG
  4. 頭から順番に背骨を丸めていき、前屈していきましょう
  5. 床に手がついたら、勢いをつけずにゆっくり身体を起こします
  6. 床までつかない場合は、前につんのめりそうになるところで止まり、10数え、上体を起こしましょう!
  7. 頭をなるべく体に近いところを通るように潜り込ませる意識で行うのがポイントです

今回ご紹介した中で、最も実践的な背骨を丸めるエクササイズです。
背骨を丸め方の練習に加えて「足指」のトレーニングが可能です。

実は、背骨を正しく丸めるためには「足ー腹筋」のつながりの力が必要なんです。

このつながりの使い方を身体が理解すると、一気に腰痛再発リスクが下がります。

1、2で、背骨を丸める感覚がわかってきたら、仕上げとしてこの練習に取り組んでみて下さい!

ちなみに壁との距離が近くなると、どんどん難易度が上がりますので、ぜひ0cmを目指しましょう!(僕もまだできませんが笑)

【まとめ】ストレッチは疲労回復・リラックス目的で行おう!

最後に簡単にまとめます!

  • 腰痛改善に良い!と言われている裏ももストレッチが無駄な理由は「ストレッチで筋肉は柔軟にならないから」
  • 筋肉は「脳」の意図によって硬くなっている→脳に「関節がコントロールできる」という情報を伝える事で筋肉の硬さが解除され柔軟になる。
  • それには「関節の使い方のトレーニング」が必要不可欠!トレーニングしよう!

冒頭でも述べましたが巷では「ストレッチ=柔軟性改善」というイメージで知れ渡っています。
理学療法士の業界でも、そのような認識の人は多いので、一般の方がそのような考えになるのは仕方ないですね。

ですが、今回の記事で「ストレッチは筋肉を柔らかくするものではないし、腰痛を「根本から」改善するものではない」と理解できたかなと思います。

ストレッチは疲労回復(血流の改善)リラックス(心地よさによるもの)を目的として行いましょう!

その目的の場合は、ストレッチを推薦します!実際、僕はそういう目的でほぼ毎日ストレッチをおこなっています。

・柔軟性を高めるためには「使い方の練習」
・疲労回復やリラックスを目的する時に「ストレッチ」

こんな感じで使い分けてみて下さい♪

今回は以上です。
でわ!