くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

横を向くと首が痛い!意外な原因と対処方法を解説!

首の痛み

ふとした瞬間、振り向いた時に「ズキっ!」と首が痛んで困っていませんか?
車の運転中に横を向いた時、バックしようと後ろを振り向く時に、首が痛くて困っていませんか?

実は、その首の痛みの原因は「首」じゃないかもしれません。
じゃあどこなのか?

『背中』『股関節』かもしれません。
または足』かもしれません。

「え?」と思いましたよね?

そう、首の痛みの原因は首ではないことが多いんです。
その理由は、身体の動きの構造を紐解いていくと理解できます。

端的に言えば「先ほど話した3つの部位が制限されているから」です。
そう言われても、ちょっとよくわからないですよね。しっかり本編で解説していきますね。

ということで、今回は、『横を向くと首が痛い!』という症状について原因と対策についてお話していきます!

本記事の内容

※本記事で解説する内容は、あくまで僕個人が実際の臨床現場で遭遇した多くのケースに基づいたものです。
首の痛み全てを網羅する内容ではないので、内容が当てはまらない場合や心配な場合は、必ず医療機関へいきましょう!

横を向くと首が痛い!意外な原因と対処方法とは?

横を向く・振り返ると首が痛い原因

横を向く・振り返った時に首が痛くなる原因の多くは「回旋動作(ひねる動き)の不具合」です。
「不具合」とは簡単に言うと「正しく全身が連動して動いていない」ということを指します。

正しく回旋運動ができていないことで首へのストレスが増大。
そのダメージが蓄積し、最終的に『痛み』が発生するのです。

つまり、回旋動作の不具合を引き起こしている部位というのが首の痛みの原因ということになります。

どうでしょう?意外でしたか?
首が痛いからといって「首」に問題があると判断するのは「浅い」です。

もっと深いところまで見ていきましょう!
※もちろん首自体に特殊な病変がある場合や交通事故の場合は除きますよ。

では、次からもう少し具体的に原因を深掘りしていきます。

回旋動作の基本から原因を紐解く

回旋動作は、基本的には「足部・股関節・胸椎(背骨)・首」といった部位で行われています。
これらの部位が連動することによって、ストレス少なくスムーズに回旋動作を行うことができるんですね。

逆を言えば、これらの部位の中で動きの悪い部分があれば、その分を別の部位が負担しなければいけないんです。

例えば、先ほどあげた4つの部位がそれぞれ25%ずつ働くことで回旋動作が100%できるとします。
ここで、股関節と胸椎の動きが悪くなり、それぞれの働く分が5%になってしまいました。

減ってしまった40%分は、残りの2つ部位で負担しなければいけません。
この配分は人によって異なりますが、首は比較的感覚が良い部位で可動性の大きい部位なので負担を背負いがち。

40%分を全て首が負担したとしたら、首は通常の40%も多く働かないといけない、ということです。
仕事で考えても「いつもの40%割増しで働いて!」と言われると、かなり負担になりますよね?

最悪の場合、疲労が溜まって風邪などの体調不良になりますよね?
それと同じことが身体の中でも起こっているのです。

「首の痛みの原因が首にはない」という理屈はこんなところです。
では、次に対処方法についてみていきましょう!

首痛への対処方法:「動きの悪い部分」へアプローチする

対処方法は、先ほどの説明をもとに考えると非常にシンプル。
『動きが悪くなっている部分にアプローチをする』ということです。

『魔女トレ 足元にある、動きの「素」』の著者の言葉を借りると動きの悪い部分に「神経を通わせる」ということをしていきます。

ここでは、僕の経験上多くのケースで改善点として挙げられる「股関節」「胸椎(背骨)」にフォーカスして対処方法をご紹介しますね。

まずは自分がどちらをアプローチすべきか?または両方?というのをこちらの動画を見てチェックしてみましょう!
当てはまる部位の対処法をご覧くださいね。

動きをチェック!あなたはどっち?または両方??

まずは最初のチェック。こちらをどうぞ↓

動画のように上半身(特に腕)優位のひねり動作になっている方は「股関節が機能していない」状態です。
➡︎股関節へのアプローチ方法の実践が有効かもしれません!

続いてこちらをどうぞ↓

この動きをしてみて胸が45度ほども横に向かない場合は「胸椎(背骨の背中の部分)の硬さ」が首に負担をかけているかもしれません
➡︎胸椎へのアプローチが有効かもしれません!

さて、いかがでしたか?
確認を終えたところで、対処方法について解説していきます。

股関節へのアプローチ方法

股関節は、ヒトの関節の中でも肩と並んで大きな可動性を持つ関節の1つです。

大きな可動性を持つ、ということは「全身」の運動に関わってくるわけでして(この点は肩より重要)、硬くなることによる影響もまた「全身」に及びます。

股関節の可動性が制限されることで、肩・腰・膝そして「首」に影響を与えている人はごまんといます。
正直「全て股関節で解決するのでは?」と思えるくらいです。

では、そんな股関節の動きを少しでも改善する『シンプルな』ワークを2つほどご紹介しますね。

①座りながら股関節の内外旋

股関節を内側にねじる動きを「内旋」と言います(その反対は外旋です)。
内旋の動きを強調して、股関節に刺激を入れるワークで、正しくできるとかなり強力に回旋動作がスムーズになります。

①踵をあげて母趾球を軸に脚をねじる、②上半身は背中を丸めて正面に向ける、この2つがポイントです。
内股に力が入っている感覚やお腹がねじれている感覚があればOK!

もし、ワークの最中に膝が痛い場合は、①かかとをしっかり挙げる、②太ももの外側をグーで叩いてほぐす、この2つを試してみてください!

それでも膝が痛い場合は、中止してください。
さて、実践してみたあとは必ず前後比較してくださいね。

症状が少しでも良い方向に変わったのであれば、継続の価値ありです。
痛みが変わらない場合は、やり方の再確認。

しっかりできているにも関わらず、痛みが変わらないのであればこのワークは合わないのかもしれません。
痛みが悪化した場合も同じです。

では、次です。

②立ちながら股関節の内外旋

このワークは、特に力は必要としません。2〜3割程度の力加減で行ってください。
と言いますのも、このワークは、分離運動の練習、わかりやすく言えば「コントロール」の練習だからです。

コントロールの練習をすることにより、股関節の運動感覚が促通されるため、動きの改善につながります。

身体は使いやすい部分しか使いません。
自然に箸を利き手で持つように、無意識に使いやすい方を使うのが人間の脳です。

その原理を利用して、脳に「股関節ってやつも結構使えるよ!ほら、こんなふうに動けるんだよ!」と教えてあげて、動きの改善に繋げるのがこのワークの狙いです。

一度で変化が出ますが、それではすぐに元に戻るはずです。
何度も繰り返すことで、脳が学習します。

短時間でいいのでこまめに股関節の運動感覚を入れてあげるのが、一番の近道です!
とても地味なワークですが、有料記事でも紹介しているくらい大事なワークなので、ぜひ取り組んでみてくださいね。

胸椎へのアプローチ方法

続いて、背骨の背中の部分である「胸椎」へのアプローチの方法です。
胸椎は、心臓や肺を守るための肋骨(肋骨)がつくので、首や腰よりも可動性が小さいのですが、しっかり動きます。

胸椎の硬さは首だけでなく、腰や肩、膝、足など、こちらも「全身のトラブルの元」になりやすい部位です。

また「動かし方がわからない」といった感覚の抜け落ちも起きやすい場所ですので、これを機会に「胸椎の動かし方」を身体で覚えましょう!

ここでは3つほどワークをご紹介させていただきます。

①背中の力を抜いてみる

まず最初は「背中の力を抜いてみる」というものです。
・・・・はい、ワークでもなんでもありません。ただの「脱力」です。

でも、これが意外と大事なんです!!!

女性に多いんですが、いつも「姿勢を綺麗にしないと!」と思っている方は、背中の筋肉を緊張させて胸を張っている事が多いんですよね。

背中は本来、少し「丸くなって」いなければならないのですが、胸を張った状態は真逆の姿勢になっています。
加えて背中の筋肉が緊張(力が入っている)しているので、関節が動かない状態です。

これでは、首の負担が増えてしまいますので、脱力をして本来の形に戻してあげましょう!
「猫背になっちゃうんじゃないの?」と心配されているかもしれませんが安心して下さい。

それだけでは猫背にはなりません。
むしろ、今まで胸を張り続けた人は、背中の丸みに関する感覚がズレている事が多い(というかほぼみんなズレてる)です。

少し丸みを出してあげるくらいで「理想の形」となっていますので安心して下さい。

まず1つ目は「背中の力を抜いてみる」でした。

②脇腹を叩く

続いては「脇腹を叩く」です。
こちらの動画をご覧ください↓

この動画のように、脇腹を左右1分ずつ程度パンパン叩きます。
実は、こうやって身体を叩くことでも筋肉は緩むんですね。

叩くことで肋骨に刺激が入るため、血流が促進されて筋肉が緩んでいきます。
ちなみに、右の脇腹には(真ん中〜下の方)肝臓があります。

そこを叩くことで肝臓に刺激が入るため、血流の促進となり機能改善・向上の効果が期待できるんです!
とはいえ、あまり大きな効果は期待しないで下さいね。

日々の簡単なケアとして取り組んでみて下さい!(特に飲み過ぎの方!笑)

ちなみに「ドンドン」と音が出るくらいの強さでやって下さいね!「ペチペチ」では刺激になりませんのでご注意を。

③肩入れ

この運動はスポーツの場面で一度見たことがあるかもしれませんね。
イチロー選手がやっていたことでも有名です↓

このストレッチは、肩周り効果があるのですが、胸椎にもしっかり効果があるストレッチなのです!
ポイントは1つ「しっかり肘を伸ばすこと」です。

多い失敗例が、肘を曲げてしまうこと。
実は肘を伸ばすことによって、上半身の上半分を「吊るす」ような力が働きます。

これがより胸椎へのストレッチ効果を高めてくれるんです!
なので、肘は絶対に曲げないで下さい!

ちなみに、脚をしっかり開くことで「股関節」にも刺激の入る一石三鳥のワークです!
やったことのない方は、ぜひ一度お試し下さい。

【まとめ】動くべきところをしっかり動かそう!

最後に今回のお話をまとめます。

  • 横を向いた時の痛みの原因は「回旋動作の不具合」
  • 回旋動作は本来「股関節」と「胸椎」が中心となって行われる
  • その2つの動きが硬く、首がその分を肩代わりした結果、負担が蓄積し痛みを発する
  • 痛みの改善には「股関節」と「胸椎」の柔軟性の改善が有効

これは、少し深掘りしたお話になるのですが、胸椎は「自律神経」と関係が深い場所です。
つまり、胸椎が硬くなる原因として「自律神経の乱れ」が考えられます。

心当たりがある場合は、一歩踏み込んで治療を行なって行く場合は、自律神経の乱れを正すようなアプローチが必要かもしれませんね。

※こちらの記事で自律神経のお話をしています。ご興味のある方はどうぞ。

今回ご紹介したワークは、柔軟性を改善するためのほんの一例にすぎません。
巷には様々なワークがありますので「股関節・胸椎」をポイントにした、自分のやりやすいワークに取り組んでみて下さい!

 

今回は以上となります!
ありがとうございました。