くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

腕が上がらない!肩が痛い時の対処法3つ【前から腕を上げるのが痛い方へ】

肩の痛み・肩こり

こんにちは、くどちんです。
「肩が上がらない」という身体のトラブルは、整形外科では腰痛・膝痛と並び多くの方が悩まされるトラブルです。

肩が上がらないと
・物を取ろうと手を伸ばすのが怖い
・着替えが辛い
・頭を洗うのが一苦労
といった形で日常生活や仕事上での支障となります。

なぜ急に肩が痛くなって上がらなくなったのか?肩の筋肉が弱いから?違います。
肩が痛くなる原因は「動きの連動性が途絶えているから」です。

ヒトの動きは、ちょっとした動きでも全身が連動して動いています。
横に振り向けば、頭の位置が変わるので、それに伴い背骨が動きますし、背骨が動けば股関節が動く、股関節が動けば・・といった具合に。

腕を上げる動作も例外に漏れず、全身が連動して成立する運動です。
決して「肩だけの運動」ではありません。

肩の運動に伴い背骨・股関節が動きその動きにその他の部位が連動します。
そのため、アプローチとしては肩だけではなく「全身」が対象となるんですね。

しかし、そう言われてもそれは専門家でもない限り、どこをどうアプローチすればいいかは分かりません。
もっと言えば「医師」でもわからない事もあります。

そこで理学療法士かつボディワーカー、つまり「動きの専門家」である僕から、臨床経験をもとにした「肩が痛くて上がらない!」という事態への対処方法を提案させていただきます。

対処方法は3つに絞ってあります。
どれもすぐにできる簡単なものですのでご安心ください!

本記事は特に「『前から』腕を上げる事ができない」つまり「バンザイができない」という方を対象にした内容ですので、ご確認の上読み進んでいただければと思います。

記事の前半では「なぜ肩が痛くなるのか?」という事を解説します。そして後半では肩が痛い時の対処方法をご紹介します!

【本記事の内容】

  • 前から腕が上がらない!痛みの原因は?【動きの連動性の断絶】
  • なぜ骨同士がぶつかるのか?【理由:動きの連動性が断絶している】
  • 腕が上がらない!肩が痛い時の対処法3つ【安静・マッサージ・柔軟性の改善】】
  • 対処方法①安静【痛みが強い時は刺激を加えない】
  • 対処方法②脇周囲のマッサージ【可動域の回復と血流の促進】
  • 対処方法③柔軟性の改善【ポイントは『背骨』】
  • 【まとめ】時期を正確に捉えて対処しよう!【正確な診断は病院へ】

前から腕が上がらない!痛みの原因は?【動きの連動性の断絶】

痛みの原因を大きく分けると2つ。
1つは「炎症」で、もう1つは「肩の骨同士がぶつかり、間にある筋肉が挟み込まれる」という理由です。

炎症に関しては、こちらの記事で詳しく解説していますので、ご興味のある方はご参照ください。
炎症反応ってどんな症状?【チェック項目もご用意しました】

本記事では「骨同士がぶつかってしまう」という部分を深掘りしていきます。

なぜ骨同士がぶつかるのか?【理由:動きの連動性が断絶している】

2つ目の理由である骨同士の衝突が起こる理由は冒頭でも述べましたが「動きの連動性が断絶されているから」です。
全身と連動性のない肩の動きは、肩へのストレスを生み痛みの原因を作ります。

では、今回のテーマである「腕を前から上げる」という動きの場合、どのように全身が連動しているのか?
実際に身体で確かめてみましょう。

下の動画のように椅子に座った状態で、以下の2つのパターンで腕を上げてみてください(痛みのない方で実施してくださいね)

・肘を90度くらいに曲げて腕を上げる
・肘をまっすぐ伸ばした状態で腕を上げる(あまり力まないで!)

シンプルに、どちらで腕が上げにくかったですか?
おそらく、肘を90度に曲げた方が上がりにくく、かつ肩にストレスや違和感、力みなどを感じたと思います。

対して、肘をまっすぐに伸ばした時の方が腕が上がりやすかったかもしれません。
理由は、こちらの方が全身が連動しているからです。

ここで、もう少し細かく観察してみて欲しいのですが、肘を伸ばして腕を上げたとき、背骨・胸はどう動いてますか?
ゆっくり動かして観察してみましょう!

動きの大小は個人差がありますが、腕を上げると背骨(胸)が伸びる(反る)方向に動いていくはずです。
これが動きの連動性ということです。

よくわからなかった!という方は、背骨を思いっきり丸めたまま腕を上げてみてください。
逆に、丸めた状態から腕の動きに合わせて背中を伸ばしてみましょう!

きっと前者で腕を上げにくく、後者の方が上げやすいと感じるはずです。

いかがでしょうか?腕を上げる動きと全身との連動性を体感する事ができたでしょうか?
体感して頂いた通り、腕を前から上げる動きは「背骨を伸ばす」動きを伴います。

つまり、背骨を伸ばす動き(とそれに伴う全身の連動)にぎこちなさが生じると、それを庇うように肩にストレスがかかるのです
これが、腕を前から上げる時に骨同士が衝突するメカニズムです。

ちなみに、以前に腰痛持ちの方は、腰を庇い背骨の動きを制限して肩に負担をかけている事が多いため、肩のケアとともに腰のトラブルへのアプローチが必要となってきます。

では、次から痛みへの対処方法について解説していきます。

腕が上がらない!肩が痛い時の対処法3つ【安静・マッサージ・柔軟性の改善】

腕を前から上げた時の出る痛みへの対処方法を3つご紹介します。
それが①安静、②脇周囲のマッサージ、③柔軟性の改善です。

「安静」は痛みが強くなった時の対処方法、マッサージは肩周囲への直接的なケア、柔軟性の改善は動きの連動性を取り戻すための根本的なアプローチとなります。

では、1つずつ解説していきます。

対処方法①安静【痛みが強い時は刺激を加えない】

痛みの原因の1つである「炎症」の特徴は、黙っていても痛みが出る、夜寝ている時にも痛みが出るというものです。
何かのきっかけで痛みが強くなり、そのような症状が出た場合には「安静」にしましょう。

安静といっても「寝ている」というわけではなく、なるべく刺激の加わらないように気をつけて過ごしましょう、ということです。

あまりにも痛みが強い場合には、医師と相談の上、関節注射をしてもらうもの良いかもしれません。

炎症に関しては、こちらの記事にて詳細を解説しています。適切に対処するためにも、ご一読して頂き炎症への理解を深めて頂ければと思います。
炎症反応ってどんな症状?【チェック項目もご用意しました】

対処方法②脇周囲のマッサージ【可動域の回復と血流の促進】

脇の周りを手またはテニスボールなどを利用してほぐします。
筋肉をイメージしながらやると効率が良いので、狙う筋肉をご紹介すると「回旋筋腱板」という筋肉です。

こちら、なんとなくのイメージで大丈夫です。
肩甲骨から、脇の下を通って腕の付け根に付着する筋肉を回旋筋腱板と呼びます。

ほとんどの筋肉が脇の下を通るので、脇の下からこれらの筋肉へのアプローチが可能です。

マッサージによって筋肉がほぐれると、血流が改善されるだけでなく、肩関節の動きにもゆとりができるため、骨同士がぶつかりにくくなります。

実は、この脇周りの硬さも痛みを引き起こしやすくなる原因の1つで、僕が診てきた肩痛の患者さんのほとんどが、脇の周囲に硬さがあるんですね。

そのため、肩に痛みを抱えている方にとっては必須のマッサージポイントと言えます。

マッサージの方法は手でもテニスボールを使ってもどちらでもOKですが、個人的には手が疲れるのでテニスボールがオススメです。

マッサージはできるだけ自分の力を使わないようにするのがポイントです!
テニスボールを使ったマッサージの方法はこちらの記事の「上半身のケア方法5選」でご紹介しています。

記事はこちら↓
【誰でもできる】身体が軽くなるテニスボールを使ったマッサージ方法12選

対処方法③柔軟性の改善【ポイントは『背骨』】

さて、最後は肩痛の根本的な原因にアプローチしていきましょう!
前から腕を上げる時は、背骨は「伸びる(反らす)」動きをすることは先ほどお伝えした通りです。

ここでは、背骨が伸びるようになるためのワークを①腰、そして②胸(背中)の2箇所に分けて、それぞれ1つずつワークをご紹介します。

ワークの効果判定をするために、必ず取り組む前後で腕の上がり具合や、痛みの調子を確認するようにしましょう!
もし少しでも良い反応があれば(痛みが軽減する、上がりやすくなるなど)、継続する必要ありです!

背骨を伸ばすワーク①腰のマッサージ

お尻の真ん中、骨盤の真ん中に近いお尻の筋肉は、腰から背中・後頭部まで伸びる「脊柱起立筋」と関連しています。
そのため、この部分をほぐすことで背骨全体が伸びやすくなるんですね。

特に下の画像の丸で囲った部分を集中的に叩くと良いでしょう!
反り腰などで、腰があまり良くない方にも効果的なので、日常的に取り組んでみてくださいね♪

背骨を伸ばすワーク②タオルポール

動画では一枚しか使っていませんが、2枚ほど重ねると高さが出るのでオススメです(半分の長さに折るのもあり!)。
これはいわゆる「ストレッチポール」の簡易版ですね。

特に背中に特化して行うことによって、より背中の柔軟性を高める効果が期待できます。
また、背中の部分は自律神経とも関与しているので、自律神経が乱れがち(不眠、ストレスや便秘、不安になりがちなど)の方にもオススメです。

【まとめ】時期を正確に捉えて対処しよう!【正確な診断は病院へ】

では、最後に内容をまとめます。

  • 腕が前から上がらない原因は「動きの連動性が断絶しているから」
  • 具体的には、腕の挙上に伴う背骨の伸びが出ないから
  • アプローチは、肩周りのマッサージの他、背骨を伸ばす取り組みが必要

肩の内部で何が起きているのか?ということに関しては、実際にレントゲンやMRIを撮ってみないとわかりません。
そのため、正確に診断をして欲しい!という方は病院へ行き医師に診てもらうことを強くオススメします。

また、肩に何か悪いことでも起きてるのか?と不安な方も病院で診断を受けた方が良いですね。

あくまで本記事でご紹介した方法は、僕の臨床経験から言える「肩を痛める根本的な原因」に着目したものであり、診断をするものではありませんので、ご了承ください。

肩の痛みは、時期を間違えなければ比較的長引かずに徐々に落ち着いていくことが多いです(五十肩の場合は一年以上長引くことがありますが)。

まずは今は炎症が強い時期かどうかを見極め、ある程度落ち着いていれば今回ご紹介したワークも使いながら身体の連動性を取り戻して頂ければと思います。

一緒に頑張りましょう!
今回は以上です。

ありがとうございました。