くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

膝が痛くてしゃがめない!膝だけではない原因とその対策を解説!【背骨がポイント】

膝の痛み

  • 「しゃがもうとすると膝が痛い」
  • 「一度しゃがんだら立ち上がる時が大変」
  • 「しゃがむ途中のところで膝が痛くなる」

こんなお悩みをお持ちではありませんか?

共通しているのは「膝を曲げると痛い」ということです。
その中でも「しゃがんだ時の膝の痛み」は、ただ単に膝を曲げて痛いというのとは少し理由が異なります。

というのも、実はそれは膝だけの問題ではないんです。
先にネタバレをお話しすると、膝の他に、「足元」そして「股関節」「背骨」の影響を強く受けるのがしゃがみ込みの動作です。

ゆえに、痛みの原因が「膝」だけではなくそれらの部位にあることが多いんです。

事実、過去に「膝が痛くて正座ができない!」という高齢の女性に背骨のエクササイズを指導したところ、その場で正座ができるようになった方がいました。

もちろん本人はびっくりです。
その方のリハビリは、それっきりで終了しました。

なにしろ、ずっと膝が悪いと思って膝を曲げる練習をしていたそうなんですよ。
実は膝が曲がらないからと言って、グイグイ曲げる練習をしてもあまり意味はありません(手術後を除く)

原因が膝にない場合は、むしろ逆効果なこともあるので危険です。

さて、本記事では、そんな「膝が痛くてしゃがめない!」という方に向けて、その原因と対策について解説していきます!
ぜひ、参考にしてみてくださいね!

本記事の内容

 

※本記事の内容は、あくまで僕自身の臨床経験に基づいた内容です。実際にはお話を聞いてお体の状態を拝見した上で適切と思われる運動の処方やアドバイスを行います。

※そのため、本記事の内容を読者様ご自身の判断で実施した場合、症状が悪化する可能性も考えられます。その場合責任は負い兼ねますので予めご了承ください。

膝が痛くてしゃがめない!膝だけではない原因とは?【背骨がポイント】

冒頭で、膝が痛くてしゃがめない原因は、膝だけではなくて他の部位にもあります、とお伝えしました。
これは、もちろん膝はある程度は曲げられるという前提でのお話ですのでご注意ください。

そもそも膝が全然曲がらないという方は、膝に対するアプローチが必要ですね。

さて、膝が痛くてしゃがめない!という原因は、多くの場合で「背骨の硬さ」にあります。

・・・「なんで?」って思いますよね?

その理由は、ヒトの動きの「連動」について理解するとわかってきます。
詳しく解説しますね。

丸められない身体の膝は「曲がらない」

しゃがむ動作は「身体を丸める動き」です。
そのため、身体を丸める時の全身の連動を理解することで「背骨が原因である」という事実を理解できます。

身体を丸める動き(屈曲と言います)は、頭は下(お腹の方)を向き、背骨は丸くなり、股関節・膝は曲がり脚が折り畳まれまる、という一連の流れがあります(足首から下は脱力)。

わかりやすく言えば、赤ちゃんがお腹の中で丸くなっている姿を思い浮かべてください。
それが身体を丸める時の関節の連動です。

この身体を丸めるという動きの関節の連動のどこかで問題が起こっていると、しゃがむ時に他の関節がスムーズに動かない、今回のケースで言えば「膝」がスムーズに曲がらないんです!

言い換えると、それぞれの関節は、本来ピタゴラスイッチのように連動していて、どこかで問題が起こると流れが止まってしまう、というイメージです。

試してみてください

動きの連動が途絶えると動きがスムーズではなくなる、という例をここで1つ挙げますね。
話だけ聞くと「いや、そんなの当たり前じゃん」て思うと思います。

ぜひ、頭だけでなく「身体」でも体感してください(←これ大事!)

身体をひねる動きをしていきます。座ってでも立ってでもどちらでもOKです。
最初は何も考えずに身体を左右にひねってください。

どのあたりまで見えるか、ということをチェックしておくと良いですね。
いかがでしょう?チェックできましたか?

では、身体をひねる方向と逆方向に顔を向けてひねってみてください。

例えば、身体を左にひねる場合は顔を右に向けながらということです。

さて、いかがでしょうか?
きっと顔を反対に向けると、身体をひねりにくくなったはずです。

身体の向く方向と同じ方向に顔を向けるのが自然な流れ。
顔を反対に向けることによって、その本来の動きの流れが途絶えた結果「動きにくさ」を感じたわけですね。

このように、本来の連動の流れと違う動きが入ると、途端に動きにくくなるのがヒトの身体です。
そして、動きの悪い部分があれば、それをどこかで負担するのもヒトの身体の仕組み。

今回のお話で言えば、背骨の動きの悪さによって生まれた負担を「膝」が負った→膝にストレスがかかり痛い、というこが痛みの裏側です。

とすると、痛みの改善方法は「本来の連動性を取り戻す」ということになります。

顔を同じ方向に向けるとスムーズに動いたように、身体を「丸める」という動きの連動が途絶えている修正することで、膝が曲がるようになる、ということですね!

それでは、これを踏まえて対策のお話をしていきます。

【対策】膝の痛みを軽減し、しゃがめるようになるための3つの練習方法

それでは、膝の痛みなくしゃがむための、具体的な対策についてお話していきましょう。
今回は、多くの人がしゃがめない原因となっている「背骨」に対するアプローチ方法を中心に3つほどご紹介します!

具体的なワークの解説に入る前に、背骨のワークの前提知識として「背骨の分類」についてお話しておきますね。
これを頭に入れてワークを行うと効率がアップするので、ぜひ目を通しておいてください。

【知っておこう!】背骨の分類

背骨は尾てい骨の部分を除くと大きく3つに分類されます。
それが「頸椎」「胸椎」「腰椎」の3つです。

どこがどこなのかと言いますと、読んで字の如くで、腰椎は腰〜みぞおちのあたりまで、胸椎はみぞおちから喉の付け根あたりまでのいわゆる「背中」の部分。そして最後、頚椎は「首」の部分です。

しゃがむと膝が痛くなる原因の1つが「背骨が丸くなれない」ということで、「胸椎」が硬くて丸くなれない方が多い印象です。

そのため、この後ご紹介するワークでは「胸椎」を意識したワークをご紹介しますので、場所のイメージをしっかりつけておいてください!

「肩甲骨の間〜みぞおち」までが胸椎、と覚えておきましょ♪

それでは、実際のワークの解説に移ります!

①猫&牛のポーズ【背骨の柔軟性アップ!】

四つ這いで行うこの2つのポーズは、ヨガでは基本とされているポーズです。
基本の動きですが、意外と難しいですし、奥が深いんですよ。

いきなり前半のパターンで動くのは難しいと思いますので、後半の、頭を骨盤を同時に動かして背骨を曲げ伸ばしをする、という事から始めましょう!

どちらのポーズも、先ほど説明しました「胸椎」を意識して行うのがポイントです。

背骨を丸める時は、両腕を長くして両肩甲骨の間を引き上げor広げるように、そして反る時は、引き上げた背中の高さをキープしながら反るのがポイント。

反らせる時に、うっすら腹筋に力が入っていればOKです(※高さを保てていると勝手に入ります)。

注意点は「腰や首は力みすぎない事」です。

力みすぎにより首や腰を痛めやすいポーズでもあります。
動かしたいのは「胸椎(背中)」の部分です。

うまく背中が動いていると、丸めるときは「胸」に、反った時は「肩甲骨の間」に力が入る感覚があるはずです!
確認しながら行ってみてくださいね。

そもそも力はいらないワークなので、力加減を2〜3割程度にして行いましょう!
それだけでも首や腰を痛めるリスクは下がりますよ。

もし、余裕があれば前半のパターン(骨盤から頭まで順番に動かす)にも取り組んでみてください!

※このワークに関して、より深く理解したい、しっかり取り組みたいという方はこちらの記事を参考にしてみてください。

②鷲(わし)のポーズ【背骨(特に胸椎)の柔軟性アップ!】

再撮影して投稿

胸椎部分を強烈に丸めることができるこのワークは、とってもオススメ!
ポイントは、肘と胸の使い方です。

肘と胸(イメージは心臓)を前後に引っ張り合いをするように使うことで、胸椎の丸まりを強調できます。
それによって腹筋をはじめとした体幹の前面の筋肉が活性化されるんです!(←ここ大事)

結果として、胸椎が丸めやすくなり、身体を丸める連動性が回復、膝の痛みに変化があるかもしれません(もちろん必ずではないですが)。

ただ、このポーズは最低1分程度はキープしてください。
それくらいキープしていないとなかなか効果が出ないですね。

1分間キープする間、ずっとみぞおちと肘は引っ張り合いしっぱなしなので、かなり腕がきついです。
それでも頑張ってやりましょう!笑

ちなみに、自律神経の乱れにも効果的なので、不眠などの自律神経症状でお悩みの方にもオススメです。

③足指の活性化ワーク!【重心の調整】

最後は、毛色を変えて足元のワークです。
膝を曲げてうまくしゃがみ込むためには、重心がある程度つま先にも乗っていないといけません。

しゃがめない方の多くは「かかと重心」になっています。
これを改善していきましょう!(かかと重心でしゃがむと、膝が痛くない僕でも膝にかなり負担を感じます)。

しかし、ただつま先にのせることを意識してもそう簡単にはできません。
なぜなら「脳での『足指』の認識が薄い」から。

極端な話、足指がないのに足指に体重はかけられませんよね?
このワークで足指を脳に認識させて、足指を使う感覚を養いましょう!

このワークは足の各指に体重をかけていくのですが、ポイントは2つあります。
1つは「全体重はかけず2〜3割だけかける」、そして2つ目は「指先で地面を踏ん張る意識を持つ」ということ。

足指を普段から使えていない方が全体重をかけると、関節を痛める可能性が非常に高くて危険です。
そこまで強烈な刺激は必要ありません。

感覚を身体に覚えさせるためのワークですので、軽い負荷で十分です。

大体2〜3往復行えば十分でしょう。
このワークの実施前後で、立った時の足の接地具合の変化を感じてみてください!

【まとめ】しゃがめないのは「膝」のせいではありません【他に目を向けて!】

最後に今回のお話をまとめますね。

  • しゃがめない原因は膝ではなくて身体を丸める連動性に問題が起こっていること
  • その問題の元は「背骨」「股関節」「足元」が原因の事が多い
  • その問題となる部位の動きを改善することがアプローチの方針
  • 今回は、多くの方で問題となりやすい「背骨」の動きを改善するワークを2つ+足元のワーク1つをご紹介

膝は視覚的にも目立つ部位であるため、どうしても意識が行きがちです。
もちろんそれは「問題視されやすい」という意味も含みます。

ゆえに、「膝が悪いですね」「膝に筋肉をつけましょう」と医師からも言われますが、実はそれだけで話が完結することは多くありません。

手術をした方を除くと、その痛みの原因のほとんどは膝にはありません。
今回の記事をきっかけに、膝以外の身体への認識が高まり、本来の自分の身体を取り戻して頂ければと思います。

今回は以上です。
ありがとうございました。