くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

【すぐに胃が痛くなる胃弱の方向け】関節痛は『胃』にもアプローチしてみるべし

痛みの一般知識 腰の痛み 膝の痛み 首の痛み

関節痛にお悩みでかつ「胃が弱い」という方。
筋トレやストレッチをやっても効果が得られない場合、もしかしたら「胃」へのアプローチが有効かもしれません。

僕自身も胃が弱く、すぐに調子を崩すタイプなので実践してみたのですが、ある程度胃の調子が良くなったので共有します。
加えて、理学療法士という視点から「なぜ胃へのアプローチが関節痛に良いのか?」についても解説しますね。

この記事で学べること

  • 内臓と関節の動きの関係性
  • 関節痛には「内臓を整える」というアプローチ方法もある
  • 胃酸量のチェック方法と対処方

僕のキャリアについて

  • 国家資格である理学療法士の資格を保持している、現役理学療法士
  • 一般病院で3年半、整形外科クリニックで5年半、介護老人保健施設で2年での勤務経験。
  • 主に整形外科疾患の患者さんと10年以上、述べ3万人以上の患者さんへの指導経験
  • 西洋医学だけでなく、ヨガやオステオパシー、ボディワークなど様々な分野から運動や身体の仕組みを学ぶ

※今回ご紹介するチェック方法や対処方法、薬の使用方法については全て「自己責任」で実施してください。ご紹介する方法を実践して健康被害があっても、僕は一切責任を負えませんので、あらかじめご了承下さい。不安な方は医師に相談してから行って下さいね。

YOUTUBEでも同じ内容を解説しています。動画で観たい方はこちらです↓補足情報も話しているので、時間のある方は、こちらも観て頂くと、少し理解が深まるかもしれません。

本記事の目次

【すぐに胃が痛くなる胃弱の方向け】関節痛は『胃』にもアプローチしてみるべし

おそらくほとんどの方は「関節痛と内臓って関係あるの?ないでしょ?」と思ったはず。
ですので、まずは「胃の不調がなぜ関節痛を引き起こすのか?」という事をなるべく簡単に解説していきます。

胃と動作(運動)の関係性【胃の不調により背骨が硬くなり、関節へのストレスを高める】

上の図は、脊髄と内臓の関係性を表した図です。
脊髄から各筋肉・内臓に向かう神経は31対あるのですが、それぞれ担当が決まっています。

上の図は、どの神経がどの内臓をコントロールするのかといういわば「担当表」です。

担当している筋肉に不調が起こると、その神経が出ている背骨の周りの筋肉は硬くなります。
例えば、腰椎(腰の骨)の一番目から出ている神経が担当している筋肉に不調が起きると、腰椎一番目の周囲の筋肉が硬くなるということです。

実はこれ、内臓の不調でも同じことが起こるんです。
これが、今回のお話のポイントです。

胃の調子が悪くなると、該当する背骨の部位(大体みぞおちあたりの高さ)も硬くなるんですね。
人の身体の動きは、背骨の柔軟性があることで関節へのストレスが最小限かつ分散されるような仕組みになっています。

しかし、背骨に硬さがあるとその仕組みが動き損なわれ、一部の関節への負担が生じることになります。
つまり、関節痛が生まれる「原因」となるわけですね。

これが、「胃にもアプローチしてみる価値はありますよ!」という理由です。

【簡易方法】胃酸量のチェック方法

具体的な、胃のコンディショニングについてお話していきます。
まずは胃酸量のチェック方法から。方法は以下の通りです。

<低胃酸のチェック方法>

  • 2gの重曹を100cc以上の水で溶かす
  • それをゆっくり飲む
  • 5分以内にゲップが出ればOK
  • 5分以内に出なければ低胃酸

<胃酸過多のチェック方法>

  • 胸焼けや胃酸が上がる感覚がある
  • 胃痛や胃もたれがある
  • 食後にゲップが多い など

これらはあくまで「簡易的な」チェック方法です。
詳細は、医療機関にて検査してもらいましょう!

胃酸過多の場合の対処方法&栄養療法

  • 胃酸分泌を促すような食事・食品は避ける(例:早食い・過食・アルコール・コーヒー・揚げ物・辛いものなど)
  • 腹圧のかかる姿勢を避ける(例:猫背や背もたれにもたれかかった姿勢)
  • 栄養素:マグネシウム・カルシウム・食物繊維・ナイアシン・ビタミンAやD

医療機関で「逆流性食道炎」と診断されているが、実は「SIBO」という小腸内で細菌が異常繁殖する病気の場合があるようです。

もし、逆流性食道炎がなかなか良くならないという場合には、医師に相談しても良いかもしれません。

※息をアメリカの検査機関に送りSIBOかどうかを検査する方法もあるそうです。日本でSIBOはあまり知られていないそうで、医師に相談してもSIBOの検査に至らなければ、個人的にこちらで検査してもらった方が良いかもしれません。

低胃酸の場合の対処方法&栄養療法

  • 希釈した酢(10倍がおすすめ)を食前に飲む。酢の物やパセリを食前に食べることで胃酸の働きをサポートする
  • 過度な胃酸分泌を促す食事・食品を避ける(例:早食い・過食・アルコール・コーヒー・揚げ物・辛いものなど)
  • ストレスの軽減(副交感神経を優位にした胃の活性化)
  • 栄養素:アミノ酸(BCAA)・亜鉛・ナイアシン・ビタミンB1

僕自身、低胃酸なためこちらは実践済み。

効果のほどですが、サプリメントを摂取については「アミノ酸」の摂取が効果あったように感じています(ちなみに疲れにくくなったような感覚もありました)。※あくまで僕の感覚です。

ちなみに、「プロテインを飲む」ではダメなの?と思った方もいるかもしれません。
ダメではないと思いますが、アミノ酸から摂取した方が吸収率は良いようです。簡単に解説しますね。

プロテイン(=タンパク質)は、胃酸によりアミノ酸に分解されて体内に吸収されるのですが、低胃酸の場合は分解作業が大変。そのため、最初からアミノ酸を摂取した方が手間が省けて良いよね、ということのようです。

ある程度胃酸量が戻ってきたら、プロテインを飲んでも良いのかもしれませんね。

※ちなみにご紹介までに、アミノ酸のサプリメントはこちらを使用しました。
ですが、これ以外のサプリメントでも全然良いと思います。自分に合ったものを使用しましょう。

薬で対処するのはNG!?【僕の考え:短期的にはOKだけど長期使用はNG】

「胃の調子が悪くならないように薬を飲むっていう対応はダメなの?」という方もいるかもしれません。
僕の結論を伝えますと「短期的にはOKだけど、長期的な使用・日常的な使用はオススメできない」です。

理由は「胃薬(制酸剤)によって胃酸が長期間抑えられることで、そこそこ大きな弊害があるから」

胃酸には、消化の他に「栄養素の吸収」「殺菌」という大切な役割があるんですね。
その胃酸の分泌が抑制されることによって、これらの役割が阻害されてしまいます。

また、胃酸分泌の抑制は胃だけでなく「腸」にも影響を与え、腸内環境を悪化させます。
腸内環境の悪化は、免疫力の低下を引き起こすので、感染しやすい身体になってしまいまうんですね。

これはそこそこ大きな弊害ですよね。

つまり、胃薬は短期的には胃腸を整える効果が期待できますが、長期的(日常的)な使用は逆効果を招きかねない代物なのです。
このことが「短期的な使用はOKだけど、長期的・日常的な使用はオススメできない」理由です。

使用のタイミング・期間は、よくよく考えるようにしましょう。
不安な方は医師に相談して意見を聞いてみてから判断するようにして下さいね。

【最後に】胃を整えて別の角度から関節痛へアプローチ!

筋トレやストレッチなど、筋力や柔軟性へのアプローチでなかなか効果が実感できない場合は、別の方法を試してみましょう!「胃の調子を整える」ということもその1つ。

実際にやってみて思うのですが、おそらくほとんどの方は「〇〇を食べるのをやめる」というだけである程度整うかもしれません。つまり「経済的にも良いアプローチ」です。

試さない手はありません。

ちなみに胃が整ってくると元氣も出てきますよ。

記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。


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