くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

首を傾げると痛い!しびれる!原因と対処法を理学療法士が解説!

首の痛み

「首を横に傾けると痛い!腕にしびれがくる!」

こんな症状でお悩みですか?

詳細は病院にて検査をして診断を受ける必要がありますが、症状自体は首から出ている可能性が考えられます。
しかし原因は首ではない「別の部位」にあるかもしれません。

というのも、首の動きで生じる症状の原因の多くは「首がスムーズに動いていないから」です。
つまり「首以外の部分の動きが悪い事」が原因ということになります。

この点に関しては、レントゲンやMRIには映らないので、決して医師から指摘されることはありません。
そのため、こういった話はあまり聞いた事がないかもしれませんね。

「ヒトの動き」を理解している専門家でなければなかなか導き出せない答えです。

さて、本記事では、そんな「首を横に傾けた時に生じる症状」の「動き」の原因について、動きの専門家である「理学療法士」の視点から解説させていただきます。

本記事の内容

 

※本記事の内容は、僕自身の経験に基づく内容が含まれています。内容を全て鵜呑みのするのではなく、心配な事があれば必ず医療機関にいき医師の意見も参考にしてください。

※本来は一人一人話を聞き、動作を確認して運動処方を行います。そのため、対処方法により症状が悪化する可能性も考えられます。もし症状が悪化しても責任は負いかねますので、ご了承ください。

首を傾げると痛い!しびれる!原因と対処法とは?

首を傾げると痛み・しびれが出る原因とは?

首を横に傾げた時に生じる痛みの原因は「首を横に傾げる動きの不具合」です。
動きの不具合により、首の骨同士が衝突し、痛みが発生したと考えられます。

神経を挟み込み、神経が傷ついた場合は首〜腕・指先への「しびれ」が生じます。
しびれがある場合は、医療機関にかかった方が良いでしょう。

場合によっては軽症では済まないケースもあります。
特に、黙っていてもしびれが出ている場合は、必ず医療機関へ行きましょう。

このあたりは、この記事で病院へ行くべきかの判断基準をご紹介していますので、参考にしてみてください。

症状の原因がわかったところで次に気になるのが「なぜそんな不具合が起きるのか?」ということ。
様々な要因はありますが、そのうちの1つは「首以外の場所で動きの悪い部分があるから」です。

僕が臨床で首の痛い患者さんを見てい、多く遭遇するケースもこれですね。
この点は詳しく後ほど説明しますが「ヒトの動きは常に全身が連動している」と言う原理原則が考えのベースにあります。

では、どの部分の硬さが首の動きに影響するのか?
この点について掘り下げていきます。

横に首を傾げる動きをぎこちなくしている可能性のある部位とは?

ズバリ「背骨・股関節」 です。
首の他のトラブルのお話でもこの2つが出てきたかなと思いますが、今回も登場。

それだけ背骨と股関節は首の動きと関連が深い、ということになりますね。
極端な話、背骨と股関節の可動性があれば首は痛くならない!と言う事(半分冗談ですよ笑)。

首を傾げる動きに伴う背骨と股関節の動きを簡単に解説

では、なぜこの2つの部位が大切なのか?ということを解説していきます。
ここでは、本来の「首を横に傾げる動き」を紐解いていて解説しますね。

下の図を見ながら読み進めてください。
図では、理解しやすくするために、拡大版と称して少し大袈裟に動きを表現しています。
本来、首が横に傾くと、背骨は反対側に弓なりにしなり、骨盤は首の傾きとは反対側に傾きます。
これは、人体で一番重いとされている頭の位置が変わることに対してバランスをとる自然な反応です。

この自然な反応により重心や目線を一定の位置に保つ事ができます。

もし、この背骨と骨盤の動きがなかったら横に倒れるか、倒れないように過剰に筋肉を使わなければいけなくなります。

目には見えないほどの小さな動きではありますが、首を横に傾げた時にはこのような動きが身体で起こっています。

ん?股関節は?と思ったかと思いませんでしたか?。
実は「骨盤の動き=股関節の動き」なので股関節もこの動きに十分貢献しています。

ゆえに「股関節も大事」となるので、首を横に傾ける動きは「背骨と股関節が大事」ということになります!

試しに比較してみてください!

試しに以下の動画のように2つの動きを比較してみてください。
いわゆる身体全体が左右に振り子のように動く「やじろべえ型」と蛇のようにクネクネ動く「蛇型」の2パターンです。

どちらも同じ「首を横に傾ける」と表現できる動きですね。

でもきっと「やじろべえ型」の方が首の筋肉が頑張っている印象になるかと思います。
これが「背骨や股関節の硬さが首にストレスをかけている」ということの何よりの証明です。

ちなみに、もし蛇型の動きがうまくできない場合は要注意。
症状の軽減や再発予防には必須の動きなので、ぜひ練習してみてくださいね。

動画はこちらです↓

簡単にできる対処方法3選【脇腹叩き・手指マッサージ・クネクネ体操 withタオル】

それでは、対処方法についてご紹介していきます。
全部で3つほどご紹介しますね。どれも臨床現場で比較的その場で効果が出ていたものです。

さて、その3つの対処方法とは、①脇腹叩き、②手指のマッサージ、③クネクネ体操 withタオルです。
1つずつご紹介していきます。

※ちなみに、今回ご紹介しているワークは、すべての方に効果が出るわけではありませんので、ご理解の方よろしくお願いいたします。

※実際には、お身体の状態や経過などを聴取した上で処方します。自分に合ったワークを知りたい!という方はお問い合わせからご連絡頂ければと思います。

①脇腹叩き

このワークは、肋骨や背骨の可動性向上が目的です。
左右合わせて1分程度でOK。

肋骨を叩くことによって、それが刺激となり肋骨同士の間にある筋肉がほぐれます。
それにより、背骨の動きが改善するという理屈です。

内臓にストレスがかかっている状態だと、その周辺の筋肉も硬くなるそうです。
肝臓であれば、右脇腹、肺であれば胸まわりや背中が硬くなります。

内臓の問題が原因で首の動きに影響が出ているケースも十分あり得ますね。

このワークは、そこまで強力な効果があるわけではありませんが、そういった内臓へのアプローチにもなります。
特に喫煙されている方は、胸周りが硬くなっている方が圧倒的に多いので、習慣的に行うのがオススメです。

②手指のマッサージ【親指ー人差し指の間】

続いては手指のマッサージです。30秒程度はほぐしましょう。
普段指先を使って仕事をされている方は、効果が期待できます。

指先と首は筋膜という筋肉を包む膜によって繋がっていますので、指先のケアが首にまで影響を及ぼすという理屈です。

このワークには少しコツがあります。ただ揉むだけではダメなんです。
そのコツというのが、親指と人差し指の間の筋肉を「人差し指側にグッと押し込むこと」です。

おそらく初めてこのワークをやる方は激痛かもしれません。
激痛かもしれませんが、それでOKです。しっかりポイントに入っています。

むしろ何も感じない方は、場所を間違っている可能性が高いです!
いろんな角度から押してみましょう!

ポイントを見つけたら、グリグリしてもいいですし、じっと押し続けるでも良いです。
そこはお好みです。

たまに他の部位まで痛みが広がったり、腕がピリピリしてくるという反応をする人もいますが、基本的には問題ありません。
続けてください(痛みやピリピリがだんだん強くなる場合は一旦やめても良いかも)

両手が終わったら、最後に手をブラブラと脱力させて終わりましょう!
さて、首の痛みに変化は出るでしょうか?動かしてみましょう!前後比較は大切です。

ちなみにですが、もしこのワークで効果があっても、それは「一時的」と思ってください。

というのも、もし手先を使う仕事や作業が原因なのであれば、その作業を再開すると再び手が凝り始めて、症状が再発する可能性は十分にあるからです。

ですが、このワークを継続的に行なって頂ければ問題ありません。

基本的にヒトの身体において「ケアが不要な状態」という人はいないので、このワークを日々のケアとして取り入れて頂ければ再発のリスクは下がるかと思いますよ。

一応このことは頭に入れておいてくださいね。

③クネクネ体操 withタオル

最後は身体を動かしていきます。
クネクネ体操と言いましたが、一部では「おしっこ体操」と呼ばれる「おしっこを我慢している」ような動きの体操です笑

動画では正座しながらやっていますが、椅子に座ってやった方がやりやすいかもしれないので、そちらをオススメします!
(フローリングの上で正座すると足が痛かった・・・笑)

この体操は、脇に挟んだタオルを「肋骨」で挟み込むような意識で行うのがポイント。
片側ずつ意識して行いましょう!(いっぺんに左右やると意識が分散してしまい、効率が下がりやすいので)。

脇の下から、腰まで満遍なく行います。
脇の下を部分(肋骨)を動かす時はこんな感じ、その下の時は・・・と部位別に意識・動きが微妙に違う!ということがわかったらOKです。

反対側をやりましょう!

ポイントである「肋骨で挟み込む意識」が動いていない肋骨や背骨を動かし、痛みの軽減につながります!
「今どこを動かしているのか?」をしっかり意識するようにしましょう!

うまく骨盤をクネクネできない方は、お尻の下に筒状に丸めたタオルを縦(前後)に置くとやりやすいですよ。
お試しください。

以上が、簡単にできる対処方法のご紹介です!
すぐにできるものもありますので、ぜひ一度試してみてくださいね!

【まとめ】背骨を動かして再発防止をしよう!

それでは、最後に内容をまとめますね。

    • 首を横に傾げた時の痛みは首から発している
    • しかし原因は首ではなく、背骨や股関節などの他の部位
    • 首意外の部分で動きの悪さがあると首に負担がかかり痛みの原因となる
    • そのため、対策は首以外で動きの悪さが認められる部位を動かすこと
    • 腕にしびれがあるなど「神経症状」がある場合は、病院に行きましょう!

首の痛みがあると、頭が近いせいかとても不安になりますよね。
また、不快感も他の部位と比べると強いかもしれません。

僕もたまに、デスクワークしていると首に違和感が出るのでよくわかります。

首は動きが非常に柔軟なため、被害を被りやすい部位です。
なんでしょうか、人間関係に例えると「なんでも引き受けてくれるいいやつ」とでも言いましょうか。

ですが決して「強い部分」ではありません。
毎日重い「頭」を支えるという大変な任務をしているので、ぜひそれ以外の仕事を任せないようにしてあげましょう!

ちゃんと働いてないやつを見つけて、積極的に働いてもらってください!笑
そうやって身体に気を配ってケアやトレーニングをしていけば「再発」は起きにくくなるのではないかと思います。

全身は常に連動しています。
ゆえに関節のトラブルは「どこかで連動が止まっている」事が大きな原因の1つです。

このことを念頭に置いておいてくださいね!

頑張りましょう!

今回は以上になります。
ありがとうございました。


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