くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

【運動】【食事】【睡眠】【思考】が健康を作る〜くどちんの健康メソッド〜

思考・エッセイ

こんにちは、くどちんです。
本記事では、僕が現時点で考える「健康理論」についてお伝えしたいと思います。

身体に不調が起きた時は、この4つの要素からアプローチしてみてください(健康維持も同じです)、という考え方のお話です。

関節痛はもちろんのこと、身体の不調を抱える全ての人に共通する理論ですので、ご興味のある方は最後までお読みください。

共感頂けると幸いです。

本記事の内容

 

身体の不調は【運動】【食事】【睡眠】【思考】を見直すべし


僕が提唱する、健康理論は、『健康には【運動】【食事】【睡眠】【思考】の4要素を見直すべし』というものです。
これは単なる健康維持でも病気の予防でも関節痛を含む身体の不調を整える事においても共通の理論となります。

つまり、この4つの要素のどれかが乱れ、それが連鎖的にその他の要素も乱し、結果身体の不調が起こる、ということです。どれが乱れるかは人それぞれ。決まったパターンはありません。

そして、どこに症状が現れるかも人それぞれです。
関節に現れる人もいれば、脳に現れる人も、そして内臓に現れる人もいます。ここは「個性」です。

まず、ここまでよろしいでしょうか?
身体の不調は、「運動」「食事」「睡眠」「思考」の4要素のうちどれから乱れることをきっかけとして起こる。

どのように不調を整えていくのか?

この理論に基づいて、身体の不調を整えるには、どのようにアプローチしていくのか?
結論を言うと「1つの要素を整えることから始める」です。

1つの要素を整えようという試みをするだけで、必然的にその他の要素も整えることに繋がります。

例えば、睡眠を整えようと考えた時、睡眠の質を高めるためには、それなりに運動が必要ですし、食事も気をつけなければいけません。

また、頭の中もある程度はスッキリさせないといけません。
というように、1つの要素へのアプローチは、(深さは異なりますが)必然的に全ての要素にアプローチすることになります。

どの要素へアプローチするかは基本的には自由です。というのも何度も言いますが全ては影響し合っているからです。
どの要素から始めるのが一番良いか?というのは人それぞれです。

アプローチしやすい要素から始めるのがオススメですね。
以上が、僕の唱える健康メソッドの概要です。

それでは、次からは、各要素について解説していきます。

なぜこの要素が大切なのか?アプローチによりその他の要素にどう影響するのか?ということについて解説していきます。

①運動〜人は「動物」であり「動く」事が健康を作る構造になっている〜

健康を語る上で運動が重要であることは、もはや誰もが知る事実でしょう。
デスクワークをしている方が、様々な身体の不調を引き起こしやすいことがその典型的な例です。

そもそも人は「動物」です。
そして人間は元々狩猟民族ですので「動く」ことを前提とした身体の構造となっています。

生物学的な分類や、歴史から考えても、動くことを前提としてヒトの身体は作られているのです。
まずここを大前提として覚えておきましょう。

ゆえに「動かなくても(=寝たきりで)健康でいられる方法」というのは基本的にはありません。
※もちろん例外は存在します。

運動の効果は「痩せる」だけじゃない!【脳を変える力を持っている】

一般的に、運動というと「体力や筋力をつける」や「脂肪を燃やす」という目的で行われる事が多いですが、健康への好影響は、それだけではありません。

脳や精神面への影響という点においても「運動」が重要と言われています。

一つ例を挙げますね。
ヒトは、長期間ストレスを受けると、記憶の中枢である海馬という部分が萎縮することがわかっています。

この海馬は本来、身体のストレス反応(身体の硬直、心拍数・血圧の上昇など)に対する「ブレーキ役」を担っているのですが、長期間のストレスにより海馬が萎縮すると、このブレーキが効かなくなってしまうのです。

その結果として、身体が硬直した状態が続いたり、心拍数や血圧が高くなる、またストレスによる疲労感や感情の落ち込み・恐怖心などから抜け出せなくなる、といった状態に陥ってしまいます。

そこで「運動」です。
研究によると、運動習慣を身につけることによって、萎縮した海馬が再び大きくなることが判明しています。

つまり運動は「ストレスに強い身体」を作るということです。

また運動は、脳の中でも「理性」や「思考」や「情動のコントロール」を司る「前頭葉」を活性化させることがわかっています。

ストレスは海馬だけでなく、前頭葉も萎縮させることがわかっています。
前頭葉が萎縮すると、いわゆる「人間らしい生き方」ができなくなってしまいます。

具体的には、行動の意欲が湧かなかったり、物事に対する理性的な判断ができず感情的になったり、物事に集中して取り組むことができないなどの症状が起こります。

運動することによって前頭葉が活性化すると、こういった症状を改善できる可能性があるのです!
まさに「動くことによって健康が保たれる仕組みになっている」ということを表していますよね。

運動は身体だけでなく、「脳」を変え、ヒトの「心」を変え「行動」を変える力を持っているのです!

見直しのポイント

  1. 習慣的に運動を行っているか?(特にデスクワーカー)
  2. 寝る前など、1日の身体の疲労をほぐすような習慣があるか?

運動に関して見直すポイントは、シンプルに「運動習慣があるか?」という点に尽きます。
しかし「運動する時間がない」という方も多いかもしれません。僕の実際にそういう患者さんにはよく出会いました。

そういう方は、まず「身体のケア」から始めると良いでしょう。
最低でも10分程度は時間を確保してください。

例えば、寝る前にいつもだるくなる部分1箇所をケアするだけでも翌日の目覚めが変わるかもしれません。
それが実感できると、きっと気持ちにも良い変化があると思います。

これは「運動」という運動とは言えないかもしれませんが、まずはここから始めましょう。
身体を少しでも動かすことで、身体や気持ちが変化することを体感することが大切です。

②食事〜自分の身体は「日々口にするものからできている」を認識する〜

あなたの身体は、日々口にしているものからできています。
つまり、口にしているものが悪ければ、身体も悪くなります。

当然ですね。

現代の日本は、飽食の時代となっており、ほとんどの人は食べることに困らない社会になっています(それも少しずつ変わってきていますが)。

食べるものは、身体に良いものから毒なものまで様々なものが並んでいます。
つまり、「何を食べるのか?」ということを、自分達で取捨選択する能力が求められている時代が現代です。

身体に悪いものを食べ続けていれば、当然それを処理しなければいけない内臓に負担がかかり続けます。

それが長期間に渡ると、内臓疾患に発展していくケースもあります。そして、その影響は神経で内臓とつながる「背骨」にまで及びます。

内臓の不調により、背骨が硬くなり、動きの連動性が失われ、首や腰そして手足のトラブルに発展する可能性があるのです。

また悪い食生活は、腸のトラブルを引き起こし、いわゆるリーキーガット症候群は脳の炎症を起こし、認知症や子どもであれば発達障害へと発展するリスクを伴っています。

つまり、食事は「脳」や「筋肉や関節」に影響を与えるということです。

僕自身、分子整合栄養医学に触れて、日々口にするものの重要性について知りました。
尚且つ、自らの身体で実験することで、食事の変化による身体・気持ちの変化を体感しています。

身体の不調は「習慣」の積み重ねがほとんどです。
身体を構成する「細胞」に直接影響を及ぼす「食事」は、特に現代社会においては、誰もが見直すべき要素だと思っています。

見直しのポイント

  1. 糖質(お米・パン・砂糖)を過剰に摂るような食生活はNG
  2. タンパク質(肉・魚)を摂取している
  3. 良質な脂質(オメガ3)を摂取している。揚げ物が多い食生活はNG

とりあえずこの3つについて見直すだけでも、体調は快方へ向かっていくかもしれません。
特に糖質中心の食生活は、エネルギー不足を引き起こしやすく、精神的にも不安定になりやすくなります。

「疲れやすい」「感情の起伏が激しい」「気分が落ち込むことが多い」ということが当てはまる方で、糖質中心(お米・パン・麺類・お菓子やスイーツ)の食習慣となっている方は、間違いなく見直した方が良いです。

ただ、急に極端な糖質制限をしてしまうと、エネルギー不足に陥ってしまい、何も手につかなくなってしまうため、『徐々に』糖質を減らしていくようにしましょう。

その意味では長く時間のかかるアプローチですので、数ヶ月〜半年、場合によっては年単位でのスパンで考えておきましょう。
それくらい「習慣を変える」ということは労力のかかることなのです。

ただその先には別世界という景色が見えるはずです。
あなたの食生活はいかがでしょうか?

③睡眠〜眠りは脳のパフォーマンスを最大限に高める

もはや説明不要な「睡眠」の重要性。
ただ「たくさん寝ないとだめ。だからたくさん寝る」というように捉えてはいませんか?

睡眠は、ただ「寝ればいい」というものではありません。
僕の中では「睡眠」は人間の活動の1つと捉えており、パフォーマンスが存在すると思っています。

つまり「睡眠の質」というやつですね。
どんなパフォーマンスの質も高めるためには「準備」が必要になります。

「寝たら回復する」というのは、子どもの時だけの話です(なかなか寝れない子どももいるようですが)。

例えば、睡眠前のストレッチが代表的な寝る準備の1つですよね。
また、アロマを焚くことも有名です。

また、足し算ばかりではなく、人によっては引き算も立派な準備となります。
どういうことかと言うと、寝る前のお酒をやめる、夕食を満腹に食べることをやめる、こんなアプローチも睡眠の質を高めます。

つまり「内臓の負担を減らす」ということも立派な準備です。

挙げればキリがないですが、とにかく今の睡眠に不満があるのであれば、新しい『睡眠習慣』を身につけることをしましょう。

睡眠が十分に取れれば、精神的にも充実してくるはずです。
睡眠が十分に取れると身体の緊張感もなくなるので、身体の柔軟性が回復し、運動パフォーマンスの向上も期待できます。

また、寝不足では食欲は湧きませんし、内臓も機能が低下します。
『食事』を考えても睡眠は外せない要素です。

このように「運動」「食事」「思考」に影響を与える『睡眠』を見直しましょう!

見直しのポイント

  1. 朝起きた時にスッキリ目覚めているか?
  2. 特に何も身体のケアをせずに布団に入るのはNG(それでスッキリ起きられていればOK)
  3. 睡眠前に自律神経を興奮させる行動をしてないか?(過度な運動、カフェインを摂る、考え事をするなど)

寝る前は、基本的には「OFFにしていく」ということを心がけると良いでしょう。
OFFにしていくのは「脳」と「肉体」です。

そのため、脳も身体も活発に動かすのは好ましくありません。

どのくらい前からOFFに向かって動けば良いのか?というのは人それぞれなので、実際に試しながら最適な時間を見つけて欲しいのですが、僕自身は1時間くらい前から睡眠の準備を始めます。

そうすると「寝よう」と思った時に大体すぐに眠ることができます。

これを機に、自分だけの最適な「ナイトルーティン」を探しましょう!

④思考〜思考の乱れは身体の乱れ〜

「心と身体は繋がっている」、きっとあなたも一度はこの言葉を聞いたことがあるかと思います。
これは裏を返すと、「心が乱れると身体も乱れる」という意味にもなります。

心が乱れる理由には「思考」も含まれます。
極端な例ですが、物事全てを悪く捉える人は、全ての物事がストレスとなり感情が落ち込んだり怒りに染まりやすいでしょう。

反対に、物事全てを良い方向に捉える人は、比較的心を平静に保つことができるかもしれません。

同じ事柄が起こっても、その人の思考回路によって解釈は変わり、それに伴い感情(心)の動きも変わります。
昔読んだことがある本のタイトルに「世の中はあなたの思うようにできている」という本がありましたが、まさしくこれです。

喜怒哀楽のうち、マイナスの方向として心を乱す感情は「哀」「怒」があります。
時に「哀」の感情は避けることができずコントロールできませんが、「怒」の感情は比較的コントロールが可能です。

なぜなら「怒」の感情の奥には「自身の保護」という感情が隠れていることがあるからです。

例えば、人は、自分の存在を傷つける・否定されるようなことをされた時に、怒りの感情が沸くケースがあります。
人に嫌なことを言われて「イラッとした」というのがまさにこのケースです。

また、自分が頑張って仕事をしている時、仕事をしていない人を見て「イラッと」するのも、頑張っている自分を否定されたと捉えた結果というケースもあります。

これらはほんの一例で、全ての人がこの感情のルートを辿って「怒る」わけではありませんが、このようにして怒りの感情が生まれるのであれば、理論上は「思考回路」を変えることで、コントロールが可能となります。

心の乱れは自律神経を乱します。
そして、自律神経の乱れは、内臓機能の低下を引き起こす上に、背骨の柔軟性や全身の筋肉の柔軟性に関わります。

つまり、心の乱れは、内臓や運動におけるトラブルに発展する可能性を秘めているということです。
まさに「心と身体は繋がっている」ですね。

そのため、自分の思考回路の見直しは、人によっては重要な要素となります。

見直しのポイント

  1. 自分の心が乱れる瞬間を把握しているか?
  2. その乱れはなぜ生じるのか?
  3. 捉え方を変えることで、その乱れはコントロールできないか?

日々、感情の浮き沈みが大きい方は、この3つを参考にして、自分の心を因数分解してみましょう!
時に、その感情の源泉を探る旅は「幼少期」に辿り着くと思います。

意外と、幼少期の生育環境や親の価値観や言葉などの影響を、大人になった今でも引きずっていることがよくあります。

感情の源泉を見つけることができたら、それだけで思考回路を変えることができるかもしれません。
ぜひ一度、自分の頭の中、人生を掘り起こしてみて下さい。きっとそこにヒントがあると思いますよ。

【最後に】自分に合った要素からアプローチしてみよう!【答えは1つではない】

最後に今回のお話をまとめます。

  • くどちんの健康メソッド:「運動」「食事」「睡眠」「思考」の状態をチェックし見直す
  • 乱れている要素があればその要素へアプローチする
  • 全ての要素は関連し合っているので、どこからアプローチしてもOK
  • 運動は、筋力やダイエットだけでなく、脳や精神へも影響する
  • 日々口にしているもので身体はできているので「食事」の乱れは身体の乱れを引き起こす
  • 睡眠は準備が最重要。ただ長時間寝るだけでは効果は薄い
  • 思考を変えることで、心の平静を保つ。そのヒントは「自分の中」にある

この健康メソッドには決まりきった形はありません。
誰が、どの要素からアプローチしても構いません。

全ては繋がっていますので、結果的に全てにアプローチすることになります。

決まりきった形がないので、どうして良いかわからないかもしれませんが、1つ1つの要素の対処方法がわかってくると大変わかりやすいメソッドかなと思います。

たった4つの要素を見直すだけでOKなんです。
わからなければ、1つ1つの要素に問題はないかな?と確認してみましょう。

このメソッドを利用して健康管理をすることができる自分になれば、もはや「病院に全ても任せる」ということはなくなるはずです。

本来、自分の身体は自分で管理するもの。

あくまで医師は「医学の専門家」なだけであり「あなたの身体の専門家」ではありません。

「参考のための意見をもらいに病院に行く」や「客観的な評価をもらいに検査に行く」というような病院の利用の仕方が健全だと僕は考えています。

ぜひ、このメソッドをあなたの健康管理の参考にしてみて下さい。
さらに詳しい方法論については、書籍として出版する予定となっていますので、ご興味のある方は今しばらくお待ち頂ければと思います。

今回は以上です。

でわ。


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