くどちんのリハビリ室 ~理学療法士による関節痛のケアブログ~

【理学療法士が解説】首に違和感・痛みがあった時の対処方法と原因

関節痛・肩こり 首の痛み

この記事では以下の事が学べます。

  • 病院に行くべきかどうかの見極め方(参考程度)
  • 首に違和感・痛みがあった時の対処方法
  • 首の違和感・痛みを引き起こす主な原因疾患

僕は、これまで理学療法士として10年以上の経験があり、そのほとんどを整形外科疾患の患者さんと過ごしてきました。もちろん首の疾患を患った方のリハビリにも何百人、何千人と携わってきています。

本記事は、その治療経験も踏まえてお話させて頂きます。

※本記事の内容は、記事作成者の経験に基づいたものです。本来は、動作を実際に確認しながら運動を指導していきます。そのため本記事でご紹介しているワークは効果を保障するものではない事に加え、取り組む際には読者の「自己責任」で取り組むことをご了承ください。
※本記事で紹介する運動を実践して、健康被害が発生しても、本記事の作成者は責任を負いませんので、予めご了承ください。

すぐに病院に行くべき症状はこちらです

  • 黙っていても強い痛みがある場合
  • しびれや首または腕・指先の感覚がない、腕・手に力が入らない場合
  • とにかく痛みが強い場合
  • 痛み・違和感が1週間以上持続する場合
  • 痛みが・違和感が時間と共に強くなる場合

これらに当てはまる際は、なるべく早めに病院へ受診することをオススメします。

組織(関節や神経)が強く損傷している可能性があります。
特に「しびれる・感覚が薄いまたはない、力が入らない」というのは神経が傷ついている可能性が高い症状です。

この場合は、早めの対処がその後の経過に影響する場合がありますので、早めの受診をして対処してもらいましょう!

すぐに病院に行けない場合は?

仕事をしている方や家の事情でこういった方は多くいらっしゃるかと思います。
すぐに病院に行けない場合はなるべく患部を刺激しない」
という対応を心がけて下さい。

その理由は、患部で強い炎症が起こっている可能性があるから。詳細はこちらの記事で解説していますが、とにかく炎症中は「なるべく刺激をしない」が鉄則です。

・湿布は良いのか?

炎症が起こっている時の湿布は有効な場合が多いです。首に痛み・違和感が発生している場合は、該当部位に湿布を貼ることも良いでしょう。

1点だけ注意事項をお伝えします。
たまに、「腕にしびれや痛みが出ているから腕に湿布を貼る」という方がいます。それで症状が軽減する場合はもちろん問題ありませんが、変わらない場合はその部位に湿布を貼るのは間違っているかもしれません。

と言いますのも、その腕や指先に症状が「首」からきているケースが考えられるからです。
この場合も、湿布を貼るのであれば「首」が良いかもしれません。

いずれにせよ、湿布を貼って数日様子を見てください。それで症状が変わればOK、変わらなければ効果は薄いと判断しましょう(効果が薄いのに余計に貼るのは肌に良くありませんのでご注意を)。

何かの病気?どんなことが考えられる?

整形外科クリニックに5年以上勤務した経験から、首のトラブルは以下の疾患であるパターンが多い印象です。

多い順番に箇条書きします。

  1. 頸椎症性神経根症
  2. 頸椎椎間板ヘルニア
  3. 頸椎症性脊髄症

どれも主な症状は「動かした時の首の痛み」、「腕や手指へのしびれ・脱力感」です(3に関しては脚の脱力感があるケースもあります)。

それぞれの疾患の特徴についてですが、ここからは医師の領域に入るため、日本整形外科学会のHPから引用して簡単に解説します。

・頸椎症性神経根症

加齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)の変化によって、脊髄からわかれて上肢へゆく「神経根」が圧迫されたり刺激されたりして起こります。
遠近両用眼鏡でパソコンの画面などを頚をそらせて見ていることも原因となることがあります。ー日本整形外科学会HPより

つまり、加齢による変性で神経根という部位を圧迫・刺激することによって起こる病気です。
神経が障害されるため、しびれや皮膚感覚の喪失、手指の脱力感といった症状が起こります。

・頸椎椎間板ヘルニア

骨と骨の間の椎間板が突出して脊髄や神経根を 圧迫して症状を出します。椎間板が加齢などで変性し、後方へ突出して起こります。30〜50歳代に多く、しばしば誘因なく発生します。悪い姿勢での仕事やスポーツなどが誘因となることがありますー日本整形外科学会

椎間板が神経を圧迫することで、痛みや神経症状を生じるのが頸椎椎間板ヘルニアです。

頸椎症性脊髄症

加齢変化による頚椎症(椎間板の膨隆・骨のとげの形成)の変化によって、頚椎の脊柱管(骨の孔)の中にある脊髄が圧迫されて症状が出ます。

日本人は脊柱管の大きさが欧米人に比較して小さく、「脊髄症」の症状が生じやすくなっています。ー日本整形外科学会HPより

つまり、加齢による首の骨の変性で起こる病気です。足にもしびれや脱力感が現れるのが特徴ですね。

以上3つの疾患について解説しました。

日本整形外科学会によると、どれも原因は「加齢」と記載されています。
ですが、年を重ねても首のトラブルを発生する人としない人がいるのは事実。

その違いについては僕の中には明確な理由があります。詳細は「【疾患解説シリーズ】頸椎症性神経根症ー背骨の連動性欠如が原因!?」にて述べていますので、ご興味があれば読んでみて下さい。

その他、首の痛みや違和感に効果がありそうな対処方法は?(動画付き)

では最後に、僕がリハビリの場面で患者さんに行って効果のあった内容をご紹介します。
ただし、先ほどご紹介した「すぐに病院にいった方が良い場合」の方は除きますので、ご了承ください。

  • 足指のマッサージ
  • 小指・薬指間のマッサージ
  • 母趾・人差し指間のマッサージ

主にこの3つを身体の状態に合わせて施術しています。首は触りません。
首のトラブルの多くは「首から下の問題」であるので、ほぼ首を触る施術をしたことはありません。

では、3つの対策について動画付きで解説していきます。
もし症状に対して効果を感じたら、効果のあったものを一日1〜2回程度行うことをオススメします。

・足指のマッサージ

  • 手の指をなるべく足指の奥まで入れ込むことが大事
  • グーパーは20〜30回くらい行いましょう。ほぐれてきたらOKです。
  • 動かし始めの足指の痛みが軽減したら、ほぐれてきたサインです。

足指の間に手の指を入れてグーパーするだけのシンプルなワーク。
足指が硬くなっている人ほど痛みがあります。

痛みがあっても氣にしなくてOK。次第にほぐれます。
日頃から足指を使った姿勢や動きをしていないことが硬くなる原因で、もしかするとそれが首のトラブルの要因かもしれません。

・小趾・環趾(薬指)間のマッサージ

  • 小趾と薬指の「付け根」をほぐすことがポイント
  • おそらく最初は激痛です。それが「硬い証拠」です。
  • 1〜2分程度でOKです。

足の指の間をピンポイントでほぐしていきます。
こちらは、外反母趾や扁平足の方のような「内側荷重(土踏まずを潰すような体重のかけ方)」の人に有効です。

ちなみに、坐骨神経痛などにも有効とされているらしいですよ。

・母趾・示趾(人差し指)間のマッサージ

  • 母趾と示趾の付け根をほぐすことがポイント
  • こちらも最初は激痛かと思います。
  • 1〜2分程度でOKです。

足指の中でとても重要な「母趾」を活性化します。
母趾は、体幹の深部とも繋がっており、理想的な姿勢や合理的な動きをする上でとても重要な部位です。

外反母趾の方は特に、母趾が機能していないことが多いので、こちらのケアはオススメです。

足元のケアは、首だけでなく腰痛や肩痛、膝痛にも有効なので、覚えておくと良いですね。
記事は以上です。お読み頂きありがとうございます。


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